2020年8月1日土曜日

10歳までに読みたい世界名作 怪盗アルセーヌ・ルパン


      作:モーリス・ルブラン 
      編・訳:芦辺拓
      監修:横山洋子
      出版:学研プラス


      今回は児童書の紹介です。一冊ではなくシリーズ物として紹介をさせていただきます。
      アルセーヌ・ルパンと聞けば、皆さんご存じ大怪盗が活躍する話です。
      私も子どものころに読んだ記憶があります。

      学研プラスから出ているアルセーヌルパンはシリーズで5冊(20年7月時点)出ているのですが、一冊の本に話が2話掲載されていて、長さ的にも読みやすくなっています。
      さらに、表紙の絵を見ていただくとわかりますが、ルパンが格好いい~♪
      最初に登場人物の説明や盗みに入る城の見取り図などが描かれているのですが、とてもわかりやすい。
      挿絵も豊富で、低学年からでも十分楽しく読めるようになっています。

      ルパン以外にも、男の子なら、シャーロックホームズのシリーズもあります。
      女の子向けでは赤毛のアンやナルニア国物語など、種類が豊富にあります。

      あまり本を読むのが得意でないお子さんもきれいなイラストを見ながら絵本のような感覚で読み進められると思います。
      夏休みに何か一冊選んでみてはいかがでしょうか?


2020年7月24日金曜日

バナナじけん


作:高畑 那生
出版社:BL出版

今回紹介する絵本は、読み聞かせで大人気の『バナナじけん』です。
お母さんたちは知らなくても子どもたちはみんな知っている『バナナじけん』
みんなで笑える『バナナじけん』

ある日バナナを積んだ車が1本のバナナを落としていきます。
そこにやってきたのは一匹のさる。(表紙の絵はなんともダイナミックな猿ですよね)
さて、どうするかと言ったら、当然食べますよね。パクっと。
そして皮はポイッ!!
その後にうさぎがやってきます。バナナの皮と言えば、当然すべって。。。
そしてその後にはなんとワニがやってきます。ワニは一体どうするのか?

車に積まれたバナナはどんどん落ちていきます。そしてさるはどんどん食べていきます。
さて、、、最後はどうなるのかな?

このお話は、とても単純な起承転結と反復が子どもたちにとてもウケるのです。
さる、うさぎ、ワニが同じことを繰り返しますが、それがとても面白い。

最近笑いが少ないなー。と思うときに読みたくなる一冊です。

2020年7月9日木曜日

バイバイ、わたしの9さい!



題名:バイバイ、わたしの9さい!
作者:ヴァレリー・ゼナティ
絵:ささめやゆき
訳:伏見 操
出版社:文研出版


今回は絵本ではなくて児童書を紹介します。読み聞かせで読ませる事はできないと思うのですが、小学中級からと書いてあるので読書感想文などにおすすめです。

こちらの紹介文にも書いてありますが、もうすぐ10歳になる女の子が新聞で「世界では、4秒に一人が飢えで命を失っています」という記事を見て「できるだけ早く、大統領になる」という考えを出す事にびっくりですが、こういう発想を出す子供達が増えたらいいなと思いました。

今、コロナや洪水などで大変な時期に差し掛かりましたが、それを当たり前となる時代になるのか、解決していく力を子供達に教えていけるのかで未来の地球が変わっていくはず。

小学生から大人まで読んで欲しい本です。

2020年6月10日水曜日

さかさことぱでうんどうかい

作:西村敏雄
出版社:福音館書店

今回紹介するのは小学2年生の息子が「ママが書いているやつ(ブログ)に載せたらいいと思うよ」と言ってくれた絵本です。

作者の西村敏雄さんは「バルバルさん」という絵本が有名ですが、動物の絵が本当に可愛らしいのです。

この作品はすべて回文(上から読んでも下から読んでも同じ文)でできています。
私が子供のころは『ダンスがすんだ』や『わたし まけましたわ』などがありましたが、そういう古い回文から、えー?こんな回文?というものまでたくさん出てきます。

運動会の中で回文が使われていて、特にストーリー性があるわけではないのですが、子どもはなんだか楽しいらしく、何度も「読んで」と言ってきますし、自分でも読んでケタケタと笑っています。

本当は運動会前の5月の読み聞かせボランティアで読んでみようかな?と思っていたのですが、今年はそれがかなわずに残念でした。
それならブログに載せればいいじゃん。と言われ、今回紹介させていただきました。
早く子どもたちの前で読みたいのですが、まだ先になりそうなので、皆さんにも読んでいただけたら嬉しいです。

2020年6月8日月曜日

パンケーキをたべるサイなんていない?

文:アンナ・ケンプ
絵:サラ・オギルヴィー
訳:角野栄子
出版社:BL出版

今回紹介する絵本は、とにかく一度手に取ってページをめくってほしい一冊です。

デイジーのパパとママはいつも忙しく、デイジーが何を言っても「はいはい」と適当にしか聞いてくれません。
今回も家に紫色の大きなサイが現れたと言ってもまったく聞いてくれません。
デイジーはあきらめてサイと二人?(一人と一頭?)で遊びますが、実はサイは遠いところから動物園に連れて来られていて、本当は故郷に帰りたいと思っていることを知り、どうやったら帰してあげられるのかを考えます。

デイジーはサイを帰してあげることができるのかな?
パパとママはデイジーの話を聞いて、サイがいることをわかってくれるかしら?

最後のページにもびっくりする動物が出てきて、本当にユーモアたっぷり、読み聞かせでもとても楽しく読める作品です。


ブログには表紙以外のページを載せられないので、紹介はできないのですが、
27センチ角というちょっと大きめの絵本にはみ出そうなくらいの大きさでユーモラスなサイの絵が描かれていています。
初めて見る人はちょっとびっくりしますよ。
是非手に取ってみてみてください。




2020年6月2日火曜日

図書館も再開しました

今週からやっと学校も少しの時間ですが始まりましたね。

緊急事態制限が出る前に借りてた本を返しに図書館に行ってきました。図書館もコロナ対策で返却と借りる場所だけで、他の場所は入る事ができませんでした。手にとって読むことは出来ませんが図書カードを持っている人はオンラインで予約すればカウンターで本を借りる事が出来ます。是非活用してみてください。

詳しくはこちらの記事を参照してください。

グレース・ホッパー プログラミングの女王


著者;ローリー・ウォールマーク文、ケイティ・ウー絵、長友 恵子訳
出版社;岩崎書店

最初のプログラマーの一人であり、プログラム言語のCOBOLを開発した人のお話です。私の学生時代はCOBOLなどは一般的でしたが、今やそれを使ってる人は少ないのかな?子供よりも私が読みたかったので図書館から借りてきてしまいました。今まで女性でプログラミングを広めた人は少ないと思います。プログラミングは男女の差別は無いはずなので今後もこのくらい活躍する女性が出てくる事を楽しみに女の子もどんどんプログラミングを勉強して欲しいです。

2020年5月21日木曜日

ノラネコぐんだん おすしやさん

著者:工藤ノリコ
出版社:白泉社

今回紹介する絵本は大人気ノラネコぐんだんの第3弾です。

表紙の絵を見てください。
ノラネコぐんだんの面々が覗きこんでいるのはワンワンちゃんが経営する回転ずし。
どれもおいしそうですね。
食べたいニャー。となったノラネコたち。どんな手を使っておすしを食べようとするのでしょうか?

ノラネコたちの行いは、決してほめられたものではありません。
でも、どうにか食べたいものを手に入れようとします。
そしてそれが成功するとは限らず。。。

ご存じの方も多いと思いますが、ノラネコシリーズはたくさん出ていて、おいしいものが大好きなノラネコたちがのらりくらりとしながら食べ物を手に入れます。
思わず笑ってしまう絵本ならではの方法が出てきて、最後には反省?するノラネコたち。
でも、また同じようなことをするんだろうなー。と思わせるラストがなんとも愉快な作品です。

ほかのシリーズも楽しいので、また紹介したいと思います。





おしいれのぼうけん


作:ふるたたるひ/たばたせいいち
出版社:童心社

今回紹介する絵本は1974年刊行以来、今でも新学期や夏休み前になると本屋さんに並ぶロングセラーです。

保育園に通うさとしとあきらは、お昼寝の前にミニカーの取りっこをし、先生に叱られて押し入れに入れられてしまいます。
すぐにごめんなさいと言えば押し入れから出してもらえるのですが、二人とも謝らず、なかなか出してもらえません。
そうしているうちに二人はねずみばあさんのいる恐ろしい世界に迷い込んでしまいます。

今の時代では叱られて押し入れに入れられることなどないでしょうけれど、70年代の先生はこんな感じだったのかもしれません。
二人を押し入れに入れた若いみずの先生はなかなか出してあげられずに困ってしまいます。それをベテランのきむら先生がニコニコと見守っています。大人になって読んでみるとそんなシーンも微笑ましく感じたりしました。

さぁ、ねずみばあさんに追いかけられる二人は逃げ切ることができるでしょうか? 77ページの大作ですが、ドキドキの大冒険に子どもたちは夢中になって聞いてくれる絵本です。
女の子ももちろんですが、男の子にはぜひとも読んでもらいたい一冊です。
(ちなみに私は女の子でしたが、楽しく読んだ記憶があります)


おまえうまそうだな

作/絵:宮西 達也
出版社:ポプラ社

今回紹介する絵本は保育園や幼稚園でとて人気のあるものです。
え?それだと小学生が読むには子どもっぽいのでは?とは思うなかれ。
コミカルな絵と恐竜という親しみやすい登場人(?)物で小さい子たちにも面白く読めるものですが、内容はとても深いものがあります。

この物語は肉食恐竜のティラノサウルスが草食恐竜のアンキロサウルスの赤ちゃんと出会う事から始まります。
肉食のティラノは当然赤ちゃんのアンキロを見ると「おまえ、うまそうだな」と食べようとします。
その時はじめて恐竜を見たアンキロの赤ちゃんはティラノを自分のお父さんと勘違いをし、「ぼく『うまそう』なんだね」とティラノについて回ります。
ここから肉食の親と草食の子どもの生活が始まるのです。

幼児のころは面白くて笑ったりしていましたが、小学生になるとティラノが段々と親になっていく過程や最後のシーンには心を打たれ、ちょっと泣きそうになることもあります。
ティラノのことを考えると、少し気持ちがしんみりとしますが、読後は優しい気分になれると思います。

またこの話は「ティラノサウルスシリーズ」として、
「きみはほんとうにステキだね」や
「あなたをずっとずっとあいしている」など多くの絵本が出版されていますので、シリーズもぜひ読んでみてください。

2020年4月23日木曜日

かたあしだちょうのエルフ

文・絵:小野木 学
出版:ポプラ社

今回は絵本としてはずいぶん迫力のある表紙からの紹介です。

アフリカに住む子供が大好きで元気な青年のだちょうエルフはみんなの人気者でしたが、ある日ライオンから子どもたちを守るために戦い、片足を失ってしまいます。
厳しいアフリカでの生活で片足を失ったエルフは食べ物も取れなくなり、段々とやせ衰えていきますが、そこにまた子どもたちを狙う黒ひょうが現れて。。。

全編が木版画で描かれている「かたあしだちょうのエルフ」は1970年に出版され、教科書にも載っていた話です。
絵が怖い~。と言われることもありますが、読み聞かせで話をするとみんな静かに聞き入ってくれます。
エルフの最後の姿にかわいそうと言ったり、疑問を持ったり、読後に子どもたちがさまざまな思いを持ってくれる話だと思います。

読み終わってから、お子さんと「どうしてかな?」「どう思った?」と話してみるのもいいかもしれません。
ちなみに私は幼稚園の先生に読んでもらい、号泣した記憶があります。

2020年4月18日土曜日

みえるとかみえないとか

 作:ヨシタケシンスケ
相談:伊藤亜紗
出版:アリス館

今回は飛ぶ鳥を落とす勢いのヨシタケシンスケさんの作品紹介です。
彼の本はとてもコミカルでクスッと笑えるお話が多いのですが、内容はとても深く考えさせられる作品です。

このお話は、色々な星の調査をする地球の宇宙飛行士が目が3つある星についた時のお話です。
2つしか目がないなんて、背中が見えなくて不便だね。と言われたり、この星にも2つの目しか見えない人がいたり、すべての目が見えない人もいる。
二つの目で見ている自分の世界と、見えない人が感じる世界の違いを知ることができます。
また違う人たちでもどこか同じところがあったりもする。
そんなことを改めてわからせてくれます。

話の中で目が見えない人たちばかりの星では『声のいい人がモテる』という一節があり、声と顔のイメージが違うとよく言われる私は声だけならモテたのかも~?なんて思ったりしました。

子どもは素直に楽しく読め、大人は深く考えられるお話。
学校の読み聞かせでは高学年に読んでみたいな。と思わせる一冊です。

2020年4月16日木曜日

はじめてのキャンプ

作・絵:林 明子
出版社:福音館

今回は、少し長めの絵本です。
実は100ページあるのですが、文字は少なく、どのページにもふんだんに林明子さんの絵が描かれています


ちっちゃいなほちゃんは、お隣のともこおばさんが主催する大きい子のキャンプに行きたくてたまりません。
でも、ちっちゃい子はすぐに泣くし、大きい荷物を持てないし、まきを集められないし、夜怖がるからダメ。と大きい子たちは大反対。
そんな中、ともこおばちゃんから「暗い外にひとりでおしっこに行ける」ことを条件に連れて行ってもらいます。

キャンプ当日、なおちゃんは小さいながら重い荷物を持ち、まきを拾い、大奮闘。母親目線で読んでいると思わず涙が出てきそうになります。
なほちゃんは、みんなでご飯を食べ、花火をし、怪談話を聞きます。
さて、くらい夜にちゃんとひとりでおしっこに行けたかな?

翌日の朝、すこしお姉ちゃんになったなほちゃんの元気な言葉が心を打ちます。

初めてひとりでキャンプやお泊りにいく子どもに読んであげるのにぴったりな一冊です。