2020年5月21日木曜日

おまえうまそうだな

作/絵:宮西 達也
出版社:ポプラ社

今回紹介する絵本は保育園や幼稚園でとて人気のあるものです。
え?それだと小学生が読むには子どもっぽいのでは?とは思うなかれ。
コミカルな絵と恐竜という親しみやすい登場人(?)物で小さい子たちにも面白く読めるものですが、内容はとても深いものがあります。

この物語は肉食恐竜のティラノサウルスが草食恐竜のアンキロサウルスの赤ちゃんと出会う事から始まります。
肉食のティラノは当然赤ちゃんのアンキロを見ると「おまえ、うまそうだな」と食べようとします。
その時はじめて恐竜を見たアンキロの赤ちゃんはティラノを自分のお父さんと勘違いをし、「ぼく『うまそう』なんだね」とティラノについて回ります。
ここから肉食の親と草食の子どもの生活が始まるのです。

幼児のころは面白くて笑ったりしていましたが、小学生になるとティラノが段々と親になっていく過程や最後のシーンには心を打たれ、ちょっと泣きそうになることもあります。
ティラノのことを考えると、少し気持ちがしんみりとしますが、読後は優しい気分になれると思います。

またこの話は「ティラノサウルスシリーズ」として、
「きみはほんとうにステキだね」や
「あなたをずっとずっとあいしている」など多くの絵本が出版されていますので、シリーズもぜひ読んでみてください。

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