2020年5月21日木曜日

ノラネコぐんだん おすしやさん

著者:工藤ノリコ
出版社:白泉社

今回紹介する絵本は大人気ノラネコぐんだんの第3弾です。

表紙の絵を見てください。
ノラネコぐんだんの面々が覗きこんでいるのはワンワンちゃんが経営する回転ずし。
どれもおいしそうですね。
食べたいニャー。となったノラネコたち。どんな手を使っておすしを食べようとするのでしょうか?

ノラネコたちの行いは、決してほめられたものではありません。
でも、どうにか食べたいものを手に入れようとします。
そしてそれが成功するとは限らず。。。

ご存じの方も多いと思いますが、ノラネコシリーズはたくさん出ていて、おいしいものが大好きなノラネコたちがのらりくらりとしながら食べ物を手に入れます。
思わず笑ってしまう絵本ならではの方法が出てきて、最後には反省?するノラネコたち。
でも、また同じようなことをするんだろうなー。と思わせるラストがなんとも愉快な作品です。

ほかのシリーズも楽しいので、また紹介したいと思います。





おしいれのぼうけん


作:ふるたたるひ/たばたせいいち
出版社:童心社

今回紹介する絵本は1974年刊行以来、今でも新学期や夏休み前になると本屋さんに並ぶロングセラーです。

保育園に通うさとしとあきらは、お昼寝の前にミニカーの取りっこをし、先生に叱られて押し入れに入れられてしまいます。
すぐにごめんなさいと言えば押し入れから出してもらえるのですが、二人とも謝らず、なかなか出してもらえません。
そうしているうちに二人はねずみばあさんのいる恐ろしい世界に迷い込んでしまいます。

今の時代では叱られて押し入れに入れられることなどないでしょうけれど、70年代の先生はこんな感じだったのかもしれません。
二人を押し入れに入れた若いみずの先生はなかなか出してあげられずに困ってしまいます。それをベテランのきむら先生がニコニコと見守っています。大人になって読んでみるとそんなシーンも微笑ましく感じたりしました。

さぁ、ねずみばあさんに追いかけられる二人は逃げ切ることができるでしょうか? 77ページの大作ですが、ドキドキの大冒険に子どもたちは夢中になって聞いてくれる絵本です。
女の子ももちろんですが、男の子にはぜひとも読んでもらいたい一冊です。
(ちなみに私は女の子でしたが、楽しく読んだ記憶があります)


おまえうまそうだな

作/絵:宮西 達也
出版社:ポプラ社

今回紹介する絵本は保育園や幼稚園でとて人気のあるものです。
え?それだと小学生が読むには子どもっぽいのでは?とは思うなかれ。
コミカルな絵と恐竜という親しみやすい登場人(?)物で小さい子たちにも面白く読めるものですが、内容はとても深いものがあります。

この物語は肉食恐竜のティラノサウルスが草食恐竜のアンキロサウルスの赤ちゃんと出会う事から始まります。
肉食のティラノは当然赤ちゃんのアンキロを見ると「おまえ、うまそうだな」と食べようとします。
その時はじめて恐竜を見たアンキロの赤ちゃんはティラノを自分のお父さんと勘違いをし、「ぼく『うまそう』なんだね」とティラノについて回ります。
ここから肉食の親と草食の子どもの生活が始まるのです。

幼児のころは面白くて笑ったりしていましたが、小学生になるとティラノが段々と親になっていく過程や最後のシーンには心を打たれ、ちょっと泣きそうになることもあります。
ティラノのことを考えると、少し気持ちがしんみりとしますが、読後は優しい気分になれると思います。

またこの話は「ティラノサウルスシリーズ」として、
「きみはほんとうにステキだね」や
「あなたをずっとずっとあいしている」など多くの絵本が出版されていますので、シリーズもぜひ読んでみてください。